面白いお話の作り方研究所

書く立場から考える

YESTERDAY

イエスタデイ (字幕版)
脚本家:リチャード・カーティス - 映画.com

YESTERDAYという映画を見た。良い映画だったけど、なにかコレジャナイ感を感じたので、そのことについて書きながら考える。

ワンアイディアもの

個人的な分類で言うと、この映画はワンアイディアものに属する。強力なワンアイディア、もし○○だったら…という閃きから展開する物語。全てのフィクションが「もしも○○だったら…」に属するとは思うんだけど、その物語の核がそこにあるかどうかがキモ。他には、

あたりが思いついた。他にもあると思う。

コレジャナイ感

ワンアイディアものだからコレジャナイ感があるわけじゃない。上に上げた映画はどれも好き。YESTERDAYになくてこれらにあるものは何か。

ワンアイディアを越えてくる展開

YESTERDAYは、アイディアの強さを展開が越えてこない感じがする。キャラ配置、葛藤、解決が、どれも予定調和的で驚きがない。驚きがまったくないわけじゃなくて、最後の神様登場は嬉しいサプライズだった。けど遅い。「さすがにそろそろサプライズが無いとしんどいな…」ってタイミングでやっと起きるサプライズだから、ぶっ飛ばされる感じがない。

もっというと

全ての要素が、アイディアに奉仕している感じがする。多分これは順序が逆で、アイディアがキャラクターに、映像に、観客に、物語に、総じて映画に奉仕すべきなんだと思う。脚本はノッティングヒルの恋人ブリジット・ジョーンズの日記ラブ・アクチュアリーリチャード・カーティスということで、なるほどラブコメの人かと思った。確かに恋愛パートは気が利いてたと思うし、主人公があんまりひどい目に合わないのもラブコメっぽいかもしれない。

とはいえ

評価は高い様子。あ、そうですか。